『諸行無常』……あらゆる物象は仮のもの。形を取るは一時にして、巡り流るるを本性とす。『諸法無我』……転変する有為を前にして、どうして己のみ変わらぬと言おう。法を支える我などない。想い煩う「私」から去れ。『涅槃寂静』……この二条を悟りしとき、欲や迷い、悩み苦しみなどは消えておろう。
「おまえはこの世の姿を見透かした! おまえは憂苦煩悩の苦しみに身を置き、あくせく暮らしている人間界から脱した! しかしおまえは業の糸を断ち切ったと思うか!?」「業の糸には”生の原動力”なる妙薬が染み込ませてある。お前はその糸から離れて生きていけるか!?」坂口尚『あっかんべェ一休』
自信満々に力強く断言してばかりいる人の、なんと鈍く貧しいことか。……あなたが物事を決め付けたなら、見える物は極端に減る。それは固定的な予測のもと動体視をすることに似よう。当たれば速く楽に掬える。しかし世界はそう単純では無い。……強さが曇らせ、弱さが磨く。人の秘めたる美質もまた。
欲望の主体たることが褒めそやされる時代や場所があり、そこでは誰も彼もが欲望を起点に行いを顕す。望むこと、叶えること、手に入れること、辿り着くこと。全てが欲望を基準にして量られ、主体性というものは「欲する魂の座」として語られる。欲望の少ない者に待つのは敗者、不適合者としての冷遇だ。
「明るい悩み」を相談されて、なんともまあ にやにやが止まらない。若いっていいよね。……それは年齢に関係のない美徳。未熟であることを忘れないこと。想像力を失わないこと。諦めたり、見切ったりしないこと。……期待して、不安がって、抱え込んで、打ち明けて。そうやって熟していくものがある。
夜を歩き、空眺めれば、ほとんど真円のお月様。白く眩しく光るそれは、何より確かに感じられる。……けれど、フランスのあの人はいま昼間であるし、石川のあの人はしとしと雨の音を聴いていることだろう。……あれほど巨大で動かしがたい無慈悲な夜の女王でさえこの有様。いったい世界とはなんだいね。
好きな人に同じだけ好いてもらえれば幸せなのにね。好かれたなら、同じだけ好きになれれば平和だろうに。そうもいかないのが人間で……まあしかし、それはそれで面白く、張り合いの出ることでもあるんだろう。識って判って覚るように、近づいて慣れて支え合う、そのプロセス。私とあなた。あなたと私。
青木幸子『ZOOKEEPER』。なんて好い漫画なんだ! と読みながら10回も20回も言う。……動物園は子供の行くところ。そんな風に思っているあなた。「命以上に惹き付けられる未知などない」そう言って、動物園の意義や未来に精魂を注ぐ飼育員のドラマを読めば。きっと見る目が変わりますよ。
動物園が好き。植物園が好き。水族館が好き。昆虫館が好き。美術館、博物館、民族館、歴史館、みんな好き。市場も、古城も、豊穣も。過剰も、有情も、戦場も。好き好き大好き、超愛してる。貴重や、誇張や、成長や。主張や、破調や、絶頂や。見るだけで楽しいものたちよ。ありて証せや、この世界をば。
そういう他人にしてあげたいことを、自分で自分にしてあげられたらな。ってそれは無理か。適切な質問も、適切な課題も、適切なヒントも、適切な必要も、適切な感謝も、(初めから)自分で自分に与えられるはずない。全力で悶え葛藤していく中で最良を定めるか、誰か好いひとを見つけて最善を心得るか。
かわいい ねこのこ/こねこ ねこのこ ねこのこ このこ/もと こねこ ねこ そのこ ねこ/ねこ こねこ こねこ ねこ こねこ ねこ ごひき/しろ くろ ねこの まざって こねこ/さんしょく こねこ しろ くろ はい/こねこ ねこのこ この ねこたちのこ /かわいいね このこ ねこ
という訳で。あんまり親切が過ぎると良くないですね。構いたくても放置する。助けたくても黙っている。気を抜いて、目を離す。それぐらいの気持ちでいないと、相手が辛い。……最善を尽くすことが最良とは限らない。人付き合いなら尚更そう。思い入れややる気の差が目立つと、お互いが苦しくなるもの。
過ぎたるは及ばざるがごとし。それは幸福でさえも。……みなに親切にしてもらって、失敗しても責められなくて、環境は整っていて、申し分のない。……その申し分の無さがヒトを追い詰めることもある。言い訳のできない、最善を尽くすしかない、そんな状況。完璧でない我が身を悔いる日々に、楽はない。
あれだけ魅力的に見えた町並みに、薄ぼんやり膜がかかっている。色とりどりの商品はちっとも身近でなく、すれ違う人さえ遠くに感じる。そういう『檸檬』的なことってありますよねい。……希望も興味も倦怠も、価値のすべては心や体が観じるもの。想像して演算して沸き立つもの。疲れているとできない。
クラスが抽象名詞で、インスタンスは固有名詞ってのはイメージしやすい例だなあ。変数の型と、変数の実体というのも良い。……共通するものをくくる、というありふれた概念を、どこまで使いやすく・使わせやすく実装していけるか。読みやすいノートを作るのと同じで、必要に迫られなきゃ無理かもなあ。
刑務所に十年も入っていれば、田舎で数ヶ月も暮らすと、戦場に数週間もいたら、ぐっすり眠って起きたなら、深呼吸して十秒数えれば。過ぎ去る怒りや悲しみがあり、忘れる疲れや悩みがあり、薄れる義務や生活があり、霧散する信仰や人生設計があるだろう。……世界に固執するヒトも。そうでないヒトも。
そうね、そうよね。どちらかに偏ることもできるし、どちらも含めることができる。……大きな子供。小さな大人。立派じゃなくて度量が狭くて肝っ玉が小さいような愛すべき大人もいると。childish で、でくのぼうで、誰からも苦にされないような大人とかとか。人生、夢も希望もあるものだわね。
大人になるのは幸福なことか。驚きは減り、喜びに慣れ、酸いも甘いも噛み分けて、「そういうものだ」と呟ける。そうさなあ……本人からすれば不幸せかも分からんね。だけど社会にとっては幸福なことだ。ブレないし、識ってるし、頼れるし、無理しない。あるいは社会の成員たれるヒトを大人と呼ぶのか。
多くの人に共感してもらうことが目的のヒトには、一部に深く突き刺さるような文章は書けない。かっとばして書くなら通じる相手はどんどん少なくなる。良いとか悪いとかじゃなくて「世界とはそういうものだ」。……エネルギーは保存しちゃう。物質は同座標に存在できない。二律背反つまりトレードオフ。
CPUのレジスタの中身をしてコンテキストと言う。OSは実行中のプログラムに応じてコンテキストを切り替え、CPUはたとえ同じ命令であったとしてもコンテキストに応じて結果を変えるわけだ。色んな意味でものすごく正しく、言い得て妙。つまり一級品のメタファーとなってる良ネーミングだと思う。





































